2024年度もスギ花粉用の初期投与薬の出荷量が限定されることになりました。当院での初期投与は当院で5年以内にアレルギー検査を行い、適応があると判断した方に限定させていただきます。
当院ではすでに予約待ちの状態となっております。ご希望の方はまず電話でお問い合わせください。
注:初期投与薬が手に入らないだけであり、すでに維持量を継続されている方の処方は可能です。
舌下免疫療法について
舌下免疫療法は完全予約制です。採血によるアレルギー検査や薬の在庫の確認が必要なため、まずは一度受診していただくか電話でご相談ください。WEBから直接予約はできません。"根本的な体質改善を"
アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、根本的な体質改善を目的とする治療法です。唯一の"根本的治療"といえます。(その他の治療はすべて症状をおさえておく"対症療法"です。)
スギ花粉症とダニアレルギーの治療法のひとつであるこの免疫療法は、以前はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では安全性の高い「舌下免疫療法」が登場し、注射に代わって広く行われるようになりました。
現在、日本ではスギ花粉症とダニアレルギーに対しこの治療を受けることができます。
注:この治療を受けるには、原因となるアレルゲンを特定する検査(当院では採血検査)が必要です。
また、スギ花粉症に関しましてはスギ花粉が飛散する時期(1月から5月)に投与を開始することはできませんのでご注意ください。
期待できる効果
長期にわたりアレルギー反応が起こらなくなります。
症状が完全におさえられない場合でも、症状が緩和されアレルギー薬を減らすことができます。
舌下免疫療法の効果は程度の差はありますが全体の70~80%の人に有効です。
注意点
- 長期間(3年から5年)、毎日治療を継続しなければなりません。継続して治療できない場合は効果がないばかりか、副作用が出るだけで終わってしまうことがあります(悪化する場合もあります)。また、3年未満でやめてしまうと効果の持続はあまり期待できません。
- 薬の処方のため1か月(30日)に1度受診する必要があります。保険で処方できるのは30日までと決められています。(コロナ禍では副作用がなく安定している方には60日まで処方しています。)
- ごくまれにアナフィラキシーなどの副作用がおこる可能性があります。
- 当院では投与開始は12歳以上を対象とさせていただきます。他院ですでに始めておられるお子様の継続処方は可能です。
- 初回投与は完全予約制です。院内で服用していただき、30分アレルギーが起こらないか様子をみます。アレルギー反応が起こってしまった場合に対応が必要なため、初回投与の予約は16時までとさせていただきます。(基本的に朝に服用することが望ましいため、午前の予約をお勧めしています。)
主な副作用
- 口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れなど
- 咽頭、喉頭(のど)のかゆみ
- 皮膚のかゆみ
- 頭痛
- アナフィラキシー
治療開始時期について
- スギ花粉症に対しては、飛散時期(1月~5月)は症状や副作用が強く出る可能性があるため治療の開始ができず、花粉が飛散していない時期に開始しなければなりません。6月から開始できます。
- ダニアレルギーに対しては季節問わず、いつでも開始できます。
治療の流れ
1. 治療開始に至るまで(初回受診日)
舌下免疫療法を検討されている方は、スタッフにお声がけください。初回受診日は、下記の方法で舌下免疫療法の対象となるかを判定いたします。
- 問診、鼻内所見などの診察を行います。
- スギ花粉症・ダニアレルギー症の診断と他のアレルギー反応(ハウスダスト・カビ類など)の合併の有無の判定を採血にて行います。結果が出るまで約1週間かかります。(採血検査をする場合は3割負担で初診料とあわせて5000~6000円程度になります。他院で既にアレルギー検査を受けている方は検査データを持参してください。3年以内のものが必要となります。)
治療対象者には治療開始となります。
2. 治療開始日
予約は受付でとっていただきます。(ネットからは不可)
- 「スギ花粉減感作療法薬」または「ダニアレルギー症花粉減感作療法薬」の処方
- スギ花粉減感作療法薬:シダトレン、シダキュア
- ダニアレルギー症花粉減感作療法薬:ミティキュア
- 院内で実際に舌下に投薬します。
- 投薬後30分は院内で安静に過ごしていただきます。
- 30分経過後再度診察いたします。
- 副作用がないことを確認し、今後の治療方法を説明します。
- 治療説明を理解了承していただき、診察終了となります。
※初回投与日は診察開始から終了まで45分ほどかかります。
3. 治療開始
スギ花粉症
ジダトレンの場合
1日1回少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量します。
初めての服用は、スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと行います。
増量終了後(15日以降)は1日1回同じ量の薬剤を舌下に投与して頂きます。
これを3~5年継続して頂きます。受診は1か月に1回必要となります。
≫ 詳しくはこちらをご確認下さい。
ジダキュアの場合
1日1回最初の1週間は2,000JAU錠を2週目以降は5,000JAU錠を服用します。
初めての服用はスギ花粉が飛散していない時期に医師の監督のもとで行います。
増量終了後は1日1回同じ量の薬剤を舌下に投与して頂きます。
これを3~5年継続して頂きます。受診は1か月に1回必要となります。
≫ 詳しくはこちらをご確認下さい。
ダニアレルギー
ミティキュアを最初の1週間は3,300JAU錠を、2週目以降は10,000JAU錠を1日1回1錠、長期間にわたり継続して服用します。
増量終了後は1日1回同じ量の薬剤を舌下に投与して頂きます。
これを3~5年継続して頂きます。受診は1か月に1回必要となります。
≫ 詳しくはこちらをご確認下さい。
治療費用
アレルギー検査が必要な方は初回に約5000~6000円程度かかります。(保険3割負担の場合)
2回目以降は医院での診察費と薬局での薬代で1か月約3000円となります(保険3割負担の場合)。保険診療のため、日本全国どこで治療を受けても料金は同じです。
保険での処方は30日までと決められていますので、30日に1回の受診が必要になります。(コロナ禍では時限的に長期処方が可能であり、副作用がなく安定している方には60日まで処方しています。)