アレルギー
耳鼻咽喉科では鼻やのどにおけるアレルギー全般を診ています。アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となる物質)を吸入もしくは摂取することで抗体が反応し、鼻水鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、のどのイガイガ、咳などの症状を起こします。風邪と違い、喉の痛みや熱などはあまり伴いません。
特に鼻や喉のアレルギーは季節性と通年性があり、季節性の代表的なものにスギやヒノキなどの花粉症があります。通年性アレルギー性鼻炎の主な原因はハウスダストとダニです。ペットの毛やフケ、カビも原因となります。カビはエアコンの中などで増えます。
また、花粉症の方が花粉と似たたんぱく質を持つ果物や野菜を食べてアレルギー症状を呈する、花粉‐食物アレルギー症候群なども存在します。例えば、スギ花粉症の方はメロンやスイカ、トマトなどでアレルギー反応が起きてしまうこともあります。当院では耳鼻咽喉科領域に対する保険適応のある全ての治療を取り扱っています。内服(内服薬だけでも数十種類あります)、点鼻点眼、漢方、レーザー治療、舌下免疫療法などです。
食べ物のアレルギーを調べる検査も行っています。のどのイガイガや、慢性的なおなかの不調、下痢や便秘は食物アレルギーが原因となっていることもあります。なかなか原因がわからない不調は、アレルギーのスクリーニング検査を行うと原因がわかることもあります。
症状がお腹に起こる場合は消化器科へ、皮膚に出る場合は皮膚科へと紹介になる場合もあります。
検査
まずは、鼻炎などの症状がアレルギー性かどうかを調べます。
検査には問診、鼻‐のどの視診、血液検査、鼻汁好酸球(こうさんきゅう)検査などがあります。
現在では採血で抗体値を調べるのが一番確実です。すでに他院で採血検査をされている方は、データを持参してください。
血液検査では一般的には空気中に浮遊しているものを検査します。ご希望があればペットなども追加します。当院ではこのほかに、アレルギーを起こしやすいものをスクリーニングする検査(MAST36)も行っています。ご希望の方はお伝えください。
費用は一項目330円(3割負担)で、一度に13項目まで保険で検査できます。
また、スクリーニング検査のMAST36は項目は選べませんが、36項目セットで約5000円(3割負担)です。
治療
アレルギーの治療方法は、内服、点鼻点眼、レーザー、減感作療法などです。薬だけでも数十種類存在します。抗体値を調べることによってその人に合った治療方法を選択することができます。
近年、新しい薬剤が次々に登場しています。アレルギーの薬については専門ですので一度ご相談ください。
当院ではレーザー治療も行っています。
当院ではアレルギー検査で診断がついている方で、一度処方して副作用が無いとわかっている薬であれば60日まで処方します。お話と診察だけでの処方は30日が限度です。
注:減感作療法(舌下免疫療法)は2023年7月のから流通がストップしており、新規受付を中止しています。2024年5月ごろから受付を再開する予定です。
舌下免疫療法について詳しくはこちら ≫
レーザー治療について詳しくはこちら ≫
花粉症
花粉症はアレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎の一種であり、植物の花粉がアレルゲン(抗原)となって、目のかゆみ・異物感・充血、涙、立て続けのくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。
原因となる花粉は、スギやヒノキがよく知られていますが、他にもシラカンバ、ハンノキ、イネ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなども挙げられます。
なお、花粉はハウスダストなどが原因の通年性とは異なり一年中飛散しているわけではないため、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。
また、花粉症の方が花粉と似たたんぱく質を持つ果物や野菜を食べてアレルギー症状を呈する、花粉‐食物アレルギー症候群という疾患を引き起こすこともあります。唇や口の中がヒリヒリする、イガイガする、おなかの調子がいつも悪い、という方は一度アレルギー検査をしてみることをお勧めしています。
症状
目の痒みや異物感・充血、涙、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。
ひどくなると、咳、のどや皮膚の痒み、頭痛、倦怠感、微熱、不眠、下痢、体や顔のほてり、イライラ感などもみられるようになります。
肉体的にも精神的にもダメージを受けて意欲が低下し、生活の質(QOL)が大きく損なわれてしまうこともあります。
検査
問診や鼻汁好酸球検査を行うとともに、血液検査によってアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となる物質)を特定します。アレルギーの対処の基本は原因物質をできるだけ遠ざけることですから、何が原因となっているかは知っておくべきです。
治療
薬物療法、レーザー、減感作療法など、様々な治療方法を選択できます。
内服治療のベースとなるのは「抗ヒスタミン薬」「抗ロイコトリエン薬」などの内服薬で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを軽くする効果があります。指示通りにきちんと飲み続けることが大切です。症状が軽くなったりしても、自己判断で飲むのを中止しないようにしてください。また、症状が強い人には内服薬に加えて局所ステロイドの点鼻薬を併用します。ステロイドとは言っても内服薬と違ってごく少量なため、副作用の心配はほとんどありません。目の痒み・異物感などの症状には、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を用います。
薬をあまり飲みたくない方にはレーザー治療も効果的です。下鼻甲介という場所の粘膜にレーザーを当てることによって、鼻汁鼻閉を軽減させることができます。レーザーは予防的治療であり、鼻の状態が良いときに行った方がよく効きます。気温と湿度の高い夏から秋に行うのがベストです。
また、当院ではスギ花粉とダニアレルギーに対する減感作療法(舌下免疫療法)も行っています。(減感作療法を受けるには採血検査が必須になります。)
注:スギ花粉症に対する舌下免疫療法もレーザー治療も花粉が飛んでくる前に治療を行う必要があります。花粉が飛んでいる時期に治療を行うことはできませんので注意してください。
花粉症は一度症状が強く出てしまうと感受性が強くなってしまう(症状が出やすくなる)ので、症状が出てしまってから内服治療をはじめても薬の効果を十分得られないことがあります。早期からの治療をお勧めします。