その他の疾患について
1:風邪
風邪について
鼻やのどは吸い込んだ空気が最初に通る場所であり、風邪などの感染症や花粉症などのアレルギーはまず鼻やのどから起こることが多いです。風邪を発端に扁桃炎、咽喉頭炎、副鼻腔炎、中耳炎などに進展する場合があり、鼻やのどの痛みが中心の場合は、耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。鼻やのどはしっかりライトをあてて奥の方を観察しないと確実な診断はできません。のどの痛みという症状だけでも数多くの疾患があります。耳鼻咽喉科では専用の道具でしっかり観察することができます。
しかしながら咳(気管支や肺)やお腹の症状は耳鼻咽喉科では診断をつけるのは困難です。鼻やのどの症状は耳鼻咽喉科、咳や腹痛・下痢といった症状は内科に受診していただけるとよいかと思います。
‐風邪予防‐
風邪の予防にも鼻とのどの正常化が一番大切です。菌やウイルスは鼻やのどから侵入するため、鼻とのどの状態が良ければそこで免疫がしっかり対応してくれます。鼻づまりで口呼吸になっていたり、粘液が足りず乾燥していたりすると風邪をひきやすくなりますので、日ごろから鼻とのどの状態をよくしておくことが大切です。特に鼻は呼吸器のフィルターの役割をしており、鼻呼吸は口呼吸に比べてウイルスや菌が気管や肺にまで達することが圧倒的に少ないと言われています。当院では鼻のメンテナンスについてもご相談を承っております。
2:いびき、睡眠時無呼吸
いびき
空気の通り道である気道(口、鼻、のど)が何らかの原因で狭くなることによって、いびきは生じます。狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸をした時に鼻や喉の粘膜が振動して音が生じます。呼吸の気流で生じる振動音がいびきの本体です。
当院では内視鏡などを用いて鼻から喉にかけて詳しく観察し、いびきの発生源を特定していきます。当院では鼻は内服や点鼻、鼻閉が強い場合はレーザー治療を行っています。(レーザー治療に関しては、トップページ上のバナー「鼻レーザー」もご参照ください。)
口蓋垂や扁桃などの咽の形状が原因の場合は手術になります。咽の手術は術後に腫れてしまうと呼吸に問題が生じるなどのリスクも伴うため、入院施設のある信頼のできる病院を紹介しています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は10秒以上の無呼吸(呼吸が止まっている状態)が、一晩に30回以上または1時間に5回以上起こることをいいます。
高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などを合併する可能性が高くなり、また日中の眠気により交通事故をひきおこす確率も高いといわれています。肥満などによる睡眠中の上気道(空気の通り道)が狭くなることが主な原因とされますが、鼻の構造や顎の形、扁桃肥大など気道を狭くする要因は他にもあります。無呼吸の程度を調べる検査はアプノモニターという検査になります。
検査をご希望の方には近隣の専門外来へご紹介いたします。
耳鼻咽喉科では鼻からのどにかけての上気道の形態を内視鏡を用いて評価し、異常があれば治療を行います。無呼吸がある場合は鼻やノドのレーザー治療に効果はあまり期待できず、手術になる場合が多いです。
鼻やノドの形状にあまり問題がないのに無呼吸になる場合(主に舌根沈下型)はC-PAPでの治療となります。
C-PAPを使用することになった場合、鼻詰まりで使用しにくいという方には当院でレーザーなどの処置も行っています。
3:小児の診察
小さなお子様を診察する場合は保護者の方にだっこで体を抑えていただき、看護師が頭を抑えるようにして診察しています。(当院は体を抑えるスタッフはご用意できません。)力が強く動いてしまうお子様は診察や処置ができないことがありますのでご了承ください。 その場合は問診と簡単な診察でお薬を考えます。慣れてくると診察させてくれるようになることが多いです。耳あか取りや鼻吸引、のどの処置、菌検査などは動かなければ全年齢で可能です。採血は8~10歳程度からできるようになる場合が多いです。
また、当院はあまり広くスペースがとれず、おむつ替えのできる場所やキッズスペースはご用意しておりません。
大人と同様に耳、鼻、のどの疾患、アレルギーを診ています。以下のような症状がある場合はご相談ください。
耳:耳を触っている、耳を痛がっている、耳だれがでる、耳あかがたまっている(耳あか取りだけで受診していただいても大丈夫です)
鼻:鼻水がでる、鼻が詰まっている、鼻血がでる、口呼吸になる
のど:のどを痛がっている 食欲がない
その他:花粉やハウスダスト、食べ物などのアレルギー
代表的な疾患
中耳炎 外耳炎 耳垢栓塞 鼻炎 アレルギー性鼻炎 副鼻腔炎 鼻出血 咽頭炎 扁桃炎 口内炎 など
詳しくはそれぞれの疾患の項に記載しています。
また、風邪症状がある場合は年齢関係なくマスクをしていただきます。鼻吸引などはマスクをして鼻だけ出した状態で行っています。
注:当院は体を抑えるスタッフや体を固定する処置台などはそろえておりません。
体や足を抑える係のスタッフを用意できないため、小さなお子様はだっこ紐で前向きだっこで来ていただけると体が固定されていて診察がしやすいので助かります。
動いてしまい処置が難しい場合は「小児耳鼻咽喉科」を掲げている耳鼻咽喉科に受診されることをお願いしています。
4:インフルエンザの予防接種
インフルエンザワクチン
当院では3歳以上を対象とさせていただきます。
3歳から12歳 2回接種(2週から4週あけて)
13歳以上 1回接種
インフルエンザの予防接種は毎年入荷数に波があるため予約や取り置きは行っておりません。(トップページに案内が出ているときは在庫があります。)
診察+予防接種を希望の方は通常通り予約を取っていただき、受診時に予防接種も希望とお伝えください。
予防接種のみの方は混雑時でもお待たせせずお呼びしますので、予約を取らずに直接ご来院ください。
在庫の有無は随時ホームページを更新しますのでご確認ください。
注:当院は自費のみの取り扱いとなります。区の助成などは受け付けていません。
5:顔の皮膚炎
耳や鼻、口周囲における皮膚の炎症もみています。 外耳炎、耳せつ、耳介炎、鼻前庭炎、鼻せつ、口周囲炎(ヘルペスなどを含む)、にきび(ざ瘡)、などです。 首から上の症状は科の隔てなく、なんでも診察しています。マスクかぶれなどもご相談ください。特に口のまわりの症状は食べ物のアレルギーが原因となっていることもあります。
食べ物のアレルギーをスクリーニングで調べる方法もありますので、ご相談ください。
夏には外耳炎が流行します。耳の中は湿気があるため、水虫のようなカビにも注意が必要です。
また、とびひのような皮膚炎は鼻の菌が手について周囲に広がります。よく鼻を触ってしまう方、とくに小児は鼻のケアと一緒に治療を行うと効果的です。
6:顔面神経麻痺
耳鼻科では顔面神経麻痺も診察しています。治りやすいベル麻痺と、帯状疱疹のウイルスが原因となるハント症候群などがあります。
顔面神経麻痺も突発性難聴と同じく早急にステロイド治療を始める必要がありますので、なるべく早めに受診してください。
麻痺が強い場合は入院も必要になりますので、病院を紹介いたします。
7:頭頚部疾患(腫瘍・リンパ節炎など)
耳鼻咽喉科は頭頸部外科でもあります。咽頭腫瘍、喉頭腫瘍、耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、舌腫瘍、甲状腺腫瘍、リンパ節炎など、首から上で目と脳以外の疾患は耳鼻咽喉科の範囲になります。(近年では細分化が進み、口腔外科、甲状腺外科はそれぞれ独立しており、それらの疾患は適した科に紹介いたします。)
頚部のリンパ節の痛みや腫れも耳鼻咽喉科で診察しています。
首から顔、頭にかけての痛みやしこりなど、気になることがありましたらご相談ください
腫瘍性疾患が疑がわれる場合にはMRIや病理検査が可能な病院へ紹介いたします。
8:漢方薬
耳鼻咽喉科領域の疾患に対する漢方薬治療についてもご相談を承っております。耳鳴り、めまい、のどの違和感などのなかなか改善しにくい慢性的な疾患や、ストレスなどが原因となるような疾患は、体質改善を目的とした漢方で改善することもあります。また、風邪をひきやすい、すぐにのどが痛くなる、などの症状にも免疫力を整える系統の漢方が合う場合もあります。特に咽頭炎や風邪の予防策には漢方が適しています。
薬をいろいろ試したけれど、どれも効果があまり感じられないときなどは是非ご相談ください。